秋のマイル戦線の始動戦でもあり,サマーマイル最終戦でもある京成杯オータムハンデ。今年は出走馬14頭が中山の開幕週で激闘します。
この記事は京成杯オータムハンデへの出走予定馬の適性を血統・距離・コース・ローテを細かく分析し、5段階(A・B・C・D・E)で評価。最後に厳選上位馬を挙げたいと思います。
適性チェックは能力や調子、調教、枠順、馬場、天気などのファクターは完全に度外視した競走馬の個性を取り上げるものとなりますので参考にする程度で見てもらえたら幸いです。
血統の適性については下の血統適性評価基準をご覧下さい。
前日中山メインの秋華賞TR紫苑S,同日中京メインのセントウルSの適性チェックの記事はこちらからご覧になれます🔽
紫苑S適性チェック🔽
セントウルS適性チェック🔽
京成杯オータムハンデ 血統適性評価基準
中山の芝1600mで行われる京成杯AH。
外回りのコースを使用するため直線の短いコースのわりにトニービンの持続力が近年は好走傾向にあります。父ディープも好走率が高いのと、ダンチヒ持ちがこのレースと相性がいいのでその点を注目して評価していこうと思います。
京成杯オータムハンデ 出走馬14頭 適性チェック
レース名をクリックするとこのブログで回顧した記事に飛べますので是非参考にしてください!
インテンスライト
父 エイシンフラッシュ
母 スコルピオンキッス
母父 フレンチデピュティ
母母スティンガーは阪神3歳牝馬(現阪神JF)の勝ち馬で叔父にキングズオブザサンやサトノギャラントのいる血統。母系からは高速決着は向いている要素はなく、父エイシンフラッシュに母父フレンチデピュティなのでパワー型という面では中山コース自体は合う血統だと思います。
戦績は中山のマイルで3勝とこのコースは得意で、ある程度流れて先行してしぶとくのタイプですから開幕週の馬場は合いそうで、積極的に前目で運べれば斤量的にもチャンスはありそう。
血統:C 距離:B コース:A ローテ:C
クリノプレミアム
父 オルフェーヴル
母 ダンシングクイーン
母父 Giant’s Causeway
妹にトーホウラビアン、近親に米G2勝ちのテンフォールドがいる血統で、母系自体は短距離に特化している血で、父オルフェーヴルの影響が強くマイル〜中距離くらいに距離は伸びましたが、気難しさと戦績からもダートの持続力型でも納得する血統構成かもしれません。同じ持続力でも1800mの周回コース向きでペースが落ち着かない方がいいでしょう。
中山牝馬Sを15番人気で勝つと、続く福島牝馬Sでも2着に好走。コース形態は小回り周回コースがあっているようで、スピードが求められるマイルだと少し厳しいか。ヴィクトリアマイル以来のレースですが仕上がりもどこまで出来ているかが鍵になりそうです。
血統:D 距離:D コース:D ローテ:D
コムストックロード
父 シルバーステート
母 ニシノムーンライト
母父 Diesis
母のニシノムーンライトはJRA6勝、甥にタツゴウゲキがいる血統で、母父のダイイシスは英国の短距離戦で活躍、日本だとスギノハヤカゼの父。シルバーステートはウォーターナビレラの父でディープ系種牡馬でもパワーや機動力に優れるタイプ。この血統構成だとスピード面が少し足りない気も。その点では距離を伸ばすのも面白いと思います。
葵Sでウインマーベルの2着と好走。以降は4着が2戦。前走の福島テレビOPは馬場の悪い内を通って頑張っていましたから、開幕週で行われる今レースならもう少しやれてもおかしくはないと思います。中山があっているかはなんとも言えませんが、距離延長の先行力を活かして、斤量も魅力でどこまでやれるか。
血統:C 距離:C コース:C ローテ:B
シャーレイポピー
父 ミッキーアイル
母 オリエンタルポピー
母父 キングカメハメハ
母母トールポピーはJRAG1を2勝、牝祖アドマイヤサンデーからはフサイチホウオーやアヴェンチュラ、アドマイヤメガミなど活躍馬が出ている牝系。母系はジャングルポケットが入りトニービンを持ち、父のミッキーアイルはディープ系でダンチヒ持ち。牝馬の活躍目立つ種牡馬だからこの舞台は面白いかもしれません。
戦績は阪神のマイルでのみの勝ち鞍で全4勝。中山のマイルは初めてですが、昨年の紫苑Sで4着とそれなりの適性は持っていそう。前走中京記念はスローペースで分が悪く、今回の方が流れると思いますから上積みはありそうです。あとは開幕週の馬場とどのポジションを取るかでしょうから鞍上の手腕に左右されそうです。
血統:A 距離:A コース:C ローテ:B
シュリ
父 ハーツクライ
母 エーゲリア
母父 Giant’s Causeway
半兄にグレートチャーターがいる血統で、父ハーツクライでトニービン持ちは好走傾向種牡馬。父サンデー系のハーツに母父がストームバード系のジャイアンツコーズウェイだから大箱向き感も。
前走関屋記念はスローペースで逃げ粘り2着を確保。先行してしぶとさを活かせましたが今回はスローになりにくいコース形態なだけに地力が必要となりますが、前走好走した勢いでここも期待がかかります。
血統:B 距離:B コース:D ローテ:C
タガノディアマンテ
父 オルフェーヴル
母 タガノレヴェントン
母父 キングカメハメハ
半兄にタガノトネール、タガノエスプレッソがいて、近親にはヘッドライナーがいる血統。オルフェーヴル×キングカメハメハ×トニービンだと少しスタミナ色が強そうで、マイルへの距離短縮はどうでしょうか。
前走の小倉記念は高速決着に対応できないような負け方で11着。時計勝負になると分が悪いので中山のコース自体は歓迎ですが、距離の短縮と開幕週の馬場はどうでしょうか。追走とペースが鍵になると思いますから展開次第ではといったところでしょうか。
血統:B 距離:D コース:C ローテ:D
ダーリントンホール
父 New Approach
母 Miss Kenton
母父 Pivotal
従兄弟に海外ステイヤーのクロスカウンターがいる血統で、サドラーズウェルズ系のニューアプローチに母父がピヴォタルですから血統的には重たく、日本の高速マイルという点では疑問ではあります。
馬格が大きくパワー型といった印象で、中山の適性は高そうで、春のダービー卿チャレンジTでは3着と好走。エプソムカップでも好走しましたし、実績は上位。決め手が足らずに善戦型になっていますが今回は果たして。
血統:D 距離:C コース:B ローテ:C
ファルコニア
父 ディープインパクト
母 カンビーナ
母父 Hawk Wing
母カンビーナはアメリカンオークス馬、全兄にトーセンカンビーナがいる血統で、母系が少し重たい分、スタミナ寄りのディープ産駒という感じでしょうか。兄は長いところで活躍していますが、本馬はマイル〜中距離路線。勝ちきれないところを見ると適性はもう少し長いところの方が向いていそうです。
戦績的には重賞で3着3回とワンパンチ足りないのがこの馬の特徴で、決め手にかけるので無難に乗ると無難にしか走らないタイプ。前走中京記念では早めに動かされた分終いが甘くなり差された印象も。奇策や少し思い切った競馬をした方がハマりそうですが…。
血統:C 距離:C コース:C ローテ:C
ベレヌス
父 タートルボウル
母 カフヴァール
母父 デュランダル
叔父にリザーブユアハート、従姉妹にソーミラキュラスのいる血統で、母系がデュランダルにガルチ、リファールですからスピードと瞬発力に長けていて、父がタートルボウルなので意外とバランスが取れている配合。タートルボウル産駒はヴェントヴォーチェもタイセイビジョンもスプリント路線ですが、本質はマイルくらいまで走れるタイプ。本馬も溜めが効くマイルなら十分こなせます。
近走は逃げて結果を残しています。前走の中京記念は逃げてスローに落とし1着とこの馬の良さを最大限に引き出したレースでした。今回はマークも厳しくなる立場。いかに自分のリズムで走れるかが鍵ですが、中山のコース形態は少し不向きにも…。
血統:C 距離:B コース:D ローテ:B
ミスニューヨーク
父 キングズベスト
母 マンハッタンミート
母父 マンハッタンカフェ
母マンハッタンミートはJRA1勝馬でマイル勝ち。父キングズベストはキングカメハメハを経由しないキングマンボ系で、エイシンフラッシュを輩出。キングズベスト×マンハッタンカフェはトーラスジェミニと一緒の配合。キングマンボ系種牡馬に母系にアンブライドルドが入りスピードも補填され中山マイルはベスト条件。
過去にこのコースの重賞ターコイズSを勝っているように舞台適性は高いです。ただ、開幕週向きかと言われると時計がかかった方がいいタイプなのでプラスとは言えませんが、前走の中京記念もあと一歩のとこまで来ている4着で、得意条件に変わり反撃できるか。
血統:B 距離:A コース:A ローテ:A
ミッキーブリランテ
父 ディープブリランテ
母 エピックラヴ
母父 Dansili
兄にダノンザキッドがいる血統で、本馬は父がディープブリランテなのでディープ系でも重たい部類の種牡馬。母系もダンチヒが入っていますがシャーペンアップも入りこちらも少し重たく、スタミナが出ています。中山のコース形態は合う方だと思いますが時計がかかる馬場向きだと思います。
今年3月の東風Sで2着。同コースで先行し、ベレヌスに先着。根本的に早い流れは向いていないのでスローな展開がほしいところ。コース実績は昨年のニューイヤーSで勝っているように十分ありますから展開次第では。
血統:C 距離:B コース:A ローテ:C
ルークズネスト
父 モーリス
母 ヴィラ
母父 ディープインパクト
母母のサミットヴィルは英G3勝ち。姉にペコリーノロマーノ、従姉妹にドゥアイズがいる血統。牝系的には早くから活躍する血で、父モーリスでも本馬はそのタイプか。母父ディープインパクトですが母系そのものは底力が強そうで、ジリっぽさがありそうな配合。ダンチヒ持ちなのでそれなりに評価。
昨年のファルコンSを勝っているようにスピード自体はかなりあるのですが、以降は戦績的には振るわない状況。中山のマイルは初めてですが、戦績のタイプ的には合いそうな反面走りが大箱向きな気も。外から気分良く走らせた方がいいタイプでしょうから開幕週のこの舞台はどう出るか。
血統:B 距離:B コース:C ローテ:C
ルフトシュトローム
父 キンシャサノキセキ
母 ハワイアンウインド
母父 キングカメハメハ
姉にアロハリリー、叔父にアサヒ、従姉妹にアドマイヤミヤビがいる血統で、牝祖ウインドインハーヘアはディープインパクトの母。母は中距離で3勝を挙げ、父キンシャサノキセキは短距離馬ですが血統的に中距離まではこなすタイプ。バランスの取れた配合で、パワーが少し強いですが中山のコースはこなせる構成でしょう。母系もダンチヒが入り血統的には良さそうです。
去勢明け初戦になる今回はどちらに転ぶかわかりませんが、2年前は同コースでデビューから3連勝。ニュージーランドTを制した馬ですから舞台はあっているはず。近走不振も去勢がきっかけで上向けば。
血統:B 距離:A コース:A ローテ:E
レインボーフラッグ
父 ジャングルポケット
母 レインボーシーカー
母父 ダンスインザダーク
叔父に香港C2着のラクティがいる血統。ジャングルポケット産駒なのでトニービン持ちなのはプラスですが、母父ダンスインザダーク、母母父レインボウクエストで少し重たすぎる血統構成。もう少しスピードの要素が欲しいところ。
前走中京記念は4コーナーでの手応え目立ちましたが最後は止まってしまい8着。9歳ながら良く頑張っていて、馬自体は若々しいです。小倉のコース形態よりは中山の方が今は合っていると思いますが、開幕週で時計を求められると流石に…。
血統:B 距離:C コース:C ローテ:C
京成杯オータムハンデ 適性チェック上位馬 5頭
今回の適性チェックの上位馬はこちら!
✔︎①ミスニューヨーク
✔︎②シャーレイポピー
✔︎③インテンスライト
✔︎③ミッキーブリランテ
✔︎③ルフトシュトローム
以上の5頭をピックアップさせていただきます!!
冒頭でも書いた通り、適性チェックは能力や調子、調教、枠順、馬場、天気などのファクターは完全に度外視した競走馬の個性を取り上げるものとなりますので参考にする程度で見てもらえたら幸いです。
最終予想は当日のパドックを見た後にTwitterにて買い目をツイートしていますのでそちらも是非よろしくお願いします!!
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