今週は日曜日に新潟競馬場でマイル重賞の関屋記念(G3)が行われます。
出走登録は15頭でエクスパートランが回避。14頭が出走。全馬の適正チェックをしていこうと思います!
項目は血統・距離・コースの3項目をそれぞれ(A・B・C・D・E)の5段階で評価。
競走能力は差し引いて評価します。
血統面の評価をどのようにするかの基準を記しておきますのでよろしくお願いいたします。
同日小倉メインレース小倉記念の適正チェックもよろしくお願いします!
関屋記念 血統適正評価基準
関屋記念というレースは新潟芝1600m(外回り)コースを使用。
日本一長い直線659mを走るため、道中の溜めと直線でのスピードの持続力が求められます。
過去の結果からも傾向として出ていて、サンデー系やキングカメハメハ系の中距離適正の溜めと米国のスピード持続力(エーピーインディやストームキャット)が強いレース。長い直線という意味ではトニービン、高速馬場対応ではデインヒル持ちも好走傾向にあります。
それらを踏まえた上で血統は評価します。
関屋記念 適正チェック
イルーシヴパンサー 牡4 岩田望来 56㎏
父 ハーツクライ
母 イルーシヴキャット
母父 キングカメハメハ
父のハーツクライはサンデー直子の代表種牡馬、母父キングカメハメハも日本の主流血統です。母母父にストームキャットを持ち、道中溜めて直線で爆発させる本馬のイメージ通りな配合か。もう少し距離はあってもいいような血統ですが、この舞台には優れています。
前走は4連勝で挑んだ安田記念に出走し1番人気の支持。道中の遅いペースを後方2番手から追走し上がり32.6秒を繰り出すも物理的に届かない8着敗退。展開に左右される脚質なだけに不安はありますが、ポテンシャルは確かです。直線が更に長くなり左回りで5勝。新馬はこのコースで勝っていますから文句のつけどころは特にありません。直線向いてからの競馬ができるこのコースならまとめて差し切れるか。
血統:A 距離:A コース:A
ウインカーネリアン 牡5 三浦皇成 57㎏
父 スクリーンヒーロー
母 コスモクリスタル
母父 マイネルラヴ
血統面からはスクリーンヒーローとマイネルラヴでパワーに寄った配合で、どちらかと言うと小回りの中山や福島の様なコースが合いそうな血統。母系にはシャーリーハイツも入りタフさも兼ね備えています。ファミリーからもダート馬や短距離馬が多く、力のいる馬場向きなイメージです。
戦績は連勝中で2走前の谷川岳Sを先行し押し切り勝ち。勝った相手は中京記念を勝ったベレヌスですから当然評価はできるものです。前走も米子Sを3番手から押し切り。この日は開幕週で撃ち有利な傾向がありましたが14番ゲートからのスタートで勝ったあたりは能力があります。スタートしてからの先行力と仕掛けてからの反応の速さは素晴らしいものがあり競馬センスは高いです。馬格からも伸び伸び走れる長い直線はあっています。
血統:D 距離:A コース:B
エアファンディタ 牡5 田辺裕信 56㎏
父 ハットトリック
母 Nokaze
母父 エンパイアメーカー
父はマイルCSと香港マイルを勝った名マイラー。母父エンパイアメーカーはダート馬を多く輩出するパワー型。母母父にゴーンウエストが入り、スピードを強化。マイルのイメージは合いますが、パワーがあり直線に坂のあるコースの方が良さが生きる配合のように思えます。
戦績も血統通りの印象で、阪神で3勝、中京で1勝。スタートから進んでいくタイプでは無く、後方からの競馬がほとんどです、前走の米子Sもその典型で、後方2番手から直線だけで追い込み5着。展開待ちな面は否めませんが、3走前の洛陽Sのようなレースがベスト。その時勝った相手はダーリントンホールやファルコニア、ベレヌスですからハマれば当然1発も。
血統:C 距離:B コース:C
エンデュミオン 牡5 秋山真一郎 56㎏
父 ヴィクトワールピサ
母 ヒラボクビジン
母父 ブライアンズタイム
血統的には中山巧者といった血統ですが、マキャベリアンの3×3、ヘイローの4×5が入りスピードを強化。ブライアンズタイムの馬力も兼ね備えていて、小回りで直線の長い新潟は合う血統のように思えます。
前走の桑名S(3勝クラス)は馬場の悪いインを突き見事な差し切り勝ち。馬自身は瞬発力があるタイプで溜めれば安定して末脚を発揮。新潟の直線は合いそうですし、じっと我慢すれば弾けそう。最近は馬体重の増減が大きいので注意しておきたいところ。
血統:B 距離:B コース:A
ゴールデンシロップ 牡4 M.デムーロ 56㎏
父 Havana Gold
母 Muscovado
母父 Mr.Greeley
父Havana Goldはサドラーズウェルズ系だが、デインヒルが入り、ダンチヒのクロスも持つ血統。母母オンリーロイヤルはヨークシャーオークスを2勝。叔父には15年の豪G1メルボルンCを制したプリンスオブペンザンスが出ています。母系にはゴーンウエストも入り、スピード面は十分通用。スローペースの瞬発力勝負に対応できるのも納得できます。
戦績は1勝クラスから3連勝中。11月のレースから約9ヶ月ぶりのレースになります。大型馬の割には内でジッと我慢が効くタイプで、瞬発力勝負に優れています。気性的に前向きなのでエキサイトしやすい面が課題ですが、折り合いさえ気をつければいい脚を使います。新潟の外回りコースは合いそうだが、ここまで切れる脚があると抜け出すタイミングには注意が必要か。休み明けなので仕上がりもチェックしたいところです。
血統:B 距離:B コース:B
ザダル 牡6 戸崎圭太 58㎏
父 トーセンラー
母 シーザシー
母父 Lemon Drop kid
トーセンラーはマイルCSを制覇。春の天皇賞や菊花賞でも好走するなど長距離にも対応したが、産駒は1200m〜1600mでの活躍馬が多数。母父のLemon Drop kidはキングマンボ系でミスプロの中でも日本の高速馬場適正に優れている系統。物凄い瞬発力勝負向きの馬ではないが、力強い伸びが出るような血統構成のイメージですがこの舞台では溜めが足りないか。
前走エプソムCでは重馬場が響いて6着。坂などに対するパワーはありますが、下が緩いと気にする面があります。3走前の京都金杯を勝っているように1800mよりも1600mで能力全開のイメージがあり、新潟外回りも一昨年に関越Sを勝っているのでコース自体は合います。出来れば良馬場でレースがしたいところ。
血統:C 距離:A コース:B
シュリ 牡6 津村明秀 57㎏
父 ハーツクライ
母 エーゲリア
母父 Giant’s Causeway
父ハーツクライで中長距離的な溜め、母父はストームキャット系のGiant’s Causewayですから評価基準に記した通りの理想的な血統構成。兄弟にはセントウルS3着グレートチャーターがいる血統なので少し短距離志向は強いです。
最後に勝ったのは5走前の2021年の谷川岳S。この舞台と一緒ですが、途中から先手を奪い逃げ切り勝ち。馬場が傷んでいたが決着タイムも遅いので出来れば時計の掛かる馬場が理想。以降4戦は1800mでは引っ掛かり、1600m戦では後方ままの競馬。気難しい面が大分出てきたようで、前走メイSのような抑えの効かない競馬になるなら距離はマイルよりもっと短くてもいいかもしれません。
血統:A 距離:D コース:C
スカイグルーヴ 牝5 C.ルメール 54㎏
父 エピファネイア
母 アドマイヤセプター
母父 キングカメハメハ
デシエルトの半姉で、母はドゥラメンテの全兄弟。エアグルーヴの牝系だからトニービン持ち。超一流の血統ですが、アドマイヤセプター自身は短距離志向が強く、京阪杯2着、スワンS3着。父エピファネイアの初年度産駒で早熟説が色々と囁かれていますが、年を重ねて気難しさも出やすい血統かもしれません。
スカイグルーヴ自身は年々距離の守備範囲が短距離にシフト。京王杯SCで2着に来ているように今のベストは1400mかなと思います。溜めても使える脚自体は長くはない印象で、新潟外回りだとどうか。マイルで折り合い重視の競馬でどこまでやれるか。小柄な牝馬なので当日の馬体重はチェック必須。
血統:C 距離:D コース:D
ダノンザキッド 牡4 川田将雅 57㎏
父 ジャスタウェイ
母 エピックラヴ
母父 Dansili
父はハーツクライの子ジャスタウェイ。母は仏G3ヴァンドー賞勝ち馬。ミッキーブリランテやオールザワールドの下にあたる血統です。3代前にデインヒル、4代前にトニービンを持ち、中距離的な溜めと高速決着への対応ができるタイプで新潟外回り1600mは合うイメージ。
2歳時には無傷の3連勝でホープフルSを制覇。クラシックも当然期待されましたが皐月賞は15着大敗。秋以降はマイルに矛先をシフトさせ、マイルCSではグランアレグリアの0.2差の3着。前走も安田記念で勝ち馬から0.2差の7着ですからそこまで負けていません。気性が大分前向きになり、マイルG1でも先行できるようになったのは大きいです。極端なスローは望みませんが、しっかり溜めが効けば力は発揮できる馬です。
血統:A 距離:B コース:B
ディヴィーナ 牝4 武豊 54㎏
父 モーリス
母 ヴィルシーナ
母父 ディープインパクト
母ヴィルシーナはヴィクトリアマイルを連覇した名牝で、全妹にヴィヴロス、半弟にシュヴァルグランがいます。父モーリス自体はメジロ牝系で野芝の新潟には適正が高く、サンデーサイレンスのクロスも入る血統背景です。イメージとしては新潟競馬場自体は向きそうですが、高速決着への対応は疑問といったところ。
マイルで地道に勝ち上がってきた馬で、前走はヴィクトリアマイルへ挑戦。レース自体が前残り気味のレースで、少し揉まれるシーンがありポジションが下がる不利。道中スムーズならもう少し上位もあったかなというレースでした。現状は溜める競馬よりも流れに乗せた競馬が良さそうで、内枠よりも外枠向きかもしれません。高速決着よりは時計がかかる馬場を希望したいところ。とても小柄なので当日の馬体のチェックは必須だと思います。
血統:D 距離:C コース:C
ピースワンパラディ 牡6 柴田善臣 56㎏
父 ジャングルポケット
母 クリアソウル
母父 アグネスデジタル
ジャングルポケット産駒で直線の長い大箱向きの血統。母父アグネスデジタルは産駒自体はダート馬を輩出していますが、母父に入ると芝の短距離〜マイルでの実績馬(サウンドキアラやブラックスピネル等)も出す血統。ただ、高速過ぎる馬場への適正は無くパワーに寄った馬が出やすいイメージ。新潟のコース自体の適正はある血統だと思います。
6歳ながらキャリアはわずかに13戦と少なく、前走は去年の京都金杯で2着。その後屈腱炎で長期休養。1年と7ヶ月ぶりの実践となります。怪我前の能力を出せれば当然ここでも上位争いになるのですが、流石にどうか。高速決着への適正は無さそうで、時計がかかる馬場になれば。とにかく無事に。
血統:B 距離:B コース:B
リアアメリア 牝5 菅原明良 54㎏
父 ディープインパクト
母 リアアントニア
母父 Rockport Harbor
父は大種牡馬ディープインパクト。母は米G1BCジュベナイルフィリーズ勝ち。血統的には仕上がりの早い構成です。母系にアンブライドルドソングとゴーンウエスト。米国のスピード持続力が入り、高速決着には強い血統。血統構成的には合いそうです。
前走マーメイドSでは久々に見どころのある4着。開幕週の馬場とコース形態がマッチした印象で先行ししぶとく粘りました。ディープ特有の歳をとって柔らかさが無くなりパワーに変わる典型的で、今は溜める競馬よりも上がりのかかる競馬の方が向きそうです。新潟の長い直線は微妙な印象ですし、マイルで切れが発揮するかというとなんとも言えません。
血統:B 距離:D コース:D
レッドライデン 牡5 吉田豊 56㎏
父 エイシンフラッシュ
母 ブランシェール
母父 ディープインパクト
父はキングマンボ系でキングカメハメハを経由しない種牡馬。自身は瞬発力特化型で超スローのダービーや秋の天皇賞を制覇しましたが、産駒にはキングマンボのパワーが遺伝し、ダート馬や短距離馬が多いです。平坦大箱コースよりも小回りの方が向くタイプで、上がりのかかるレース向きの血統か。
4走前と3走前を中山の2000mで逃げて連勝。2走前の福島民報杯は逃げれず大敗。前走の函館記念は先手を取れましたが、タフ過ぎる馬場にどこも緩ませずに逃げて4コーナー手前では失速する競馬。好走するには良馬場の時計がかかるレースという条件が今の所あり、マイルの重賞での流れは疑問。元々は短いところで実績がある馬ですが、このクラスではどうか。
血統:D 距離:D コース:E
ワールドバローズ 牡4 和田竜二 56㎏
父 ディスクリートキャット
母 ポーシア
母父 ディープインパクト
父はストームキャット系の種牡馬で母父はディープインパクト。ディープ×ストームキャットの黄金配合の反対で、中距離やマイルよりも短距離の方が向く配合。このレースの理想は父系が中距離サンデーなのでイメージとは少し異なりますが、スピードの持続力の面では十分クリアしている血統構成のように思えます。
前走の京王杯SCでは上がり最速の33.2をマークし4着。1400mの重賞クラスでは追走が厳しく自然と後方からのレースになりましたが最後はいい脚を使っています。本質的にはマイルが1番あっていそうで、しっかりと溜めが効けばこのクラスでも十分通用。平坦の新潟コースよりも前が止まったところで差し込める坂のあるコース向きか。直線が大箱コースは歓迎。
血統:B 距離:A コース:B
適正上位評価 厳選4頭
今回の適正チェックでの上位評価馬
①イルーシヴパンサー
②エンデュミオン
③ダノンザキッド
④ワールドバローズ
の4頭を挙げさせていただきます。
枠順やレース展開、当日の傾向、天候等は全く入れていませんので悪しからず!
好メンバーが揃った関屋記念。予想と買い目はレース直前になりますがパドック推奨と共にTwitterにて公開していますので是非よろしくお願いします!!
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