2023年8月27日　キーンランドC 出走馬適性チェック✔︎

2023年8月27日（日）　札幌競馬場　芝1200m キーンランドカップ　出走馬全頭の適性診断記事になります。

この記事はキーンランドカップへの出走予定馬の適性を血統・距離・コース・ローテを細かく分析し、5段階（A・B・C・D・E）で評価。最後に厳選上位馬を挙げたいと思います。

適性チェック✔︎は能力や調子、調教、枠順、馬場、天気などのファクターは完全に度外視した競走馬の個性を取り上げるものとなりますので参考にする程度で見てもらえたら幸いです。

血統の適性については下の血統適性評価基準をご覧下さい。

キーンランドカップ 2023 血統適性評価基準

札幌芝1200mで行われるスプリント重賞。

短距離でも洋芝で行われるため重厚感のある血統が良く、サドラーズウェルズ、ネヴァーベンド、ロベルトなどの欧州血統が活躍しやすい舞台です。その点を踏まえた評価をしていこうと思います。

キーンランドカップ 2023 出走馬適性チェック✔︎

ヴァトレニ

　父：グラスワンダー
　母：チアフルスマイル
母父：サンデーサイレンス

母のチアフルスマイルはキーンランドC勝ちで祖母のゴールデンカラーズはクイーンCで2着。グラスワンダー×サンデーサイレンスはスクリーンヒーローやサクラメガワンダーと同じ。ダンジグを持つ父ですからパワーは持ち合わせていますがスプリント向きの適性は果たしてという印象はあります。昨年のキーンランドCは鞍上の進路取りも相まった3着。あまりにも速い決着は対応出来ないと思うのでスプリント戦でも洋芝という条件は合うのでしょう。今年もスローの展開になれば上位で戦える1頭だと思います。

血統：B 距離：B コース：A ローテ：B

ウインマーベル

　父：アイルハヴアナザー
　母：コスモマーベラス
母父：フジキセキ

母のコスモマーベラスはJRA7勝で、愛知杯2着。函館2歳Sで2着のウインジェルベーラの全弟で、父のアイルハヴアナザーはロベルトを内包したパワーの強い種牡馬で、アナザートゥルースなどダート向きの馬を良く出す血統。母系のニジンスキーも活きて大箱もこなすタイプですが、札幌のコースも問題ないと思います。フットワーク自体は洋芝などもこなせるタフな馬場向きに感じますし、昨年2着と舞台設定は合うので今年も好走率は高いのではないでしょうか。

血統：B 距離：A コース：A ローテ：B

ウォーターナビレラ

　父：シルバーステート
　母：シャイニングサヤカ
母父：キングヘイロー

母シャイニングサヤカは地方で3勝、兄弟も地方で活躍し、半兄のソイカウボーイは兵庫ジュニアグランプリ3着。父のシルバーステートはロベルト内包のディープ産駒。母父キングヘイローはイクイノックスやディープボンドなどの母父。母系がヘイルトゥリーズンのクロスを持ち、全体でロベルトのクロスを持つ機動力と前向きさが武器。ここ最近は不振ですが、1200mに馴染んできた感は受けますから流れ次第では差し込めるかもしれません。時計は掛かった方がいいでしょう。

血統：B 距離：A コース：B ローテ：C

カイザーメランジェ

　父：サクラオリオン
　母：サクラジュレップ
母父：サクラプレジデント

京王杯SCなど短距離で活躍したサクラゴスペルの甥にあたる血統で、父のサクラオリオンはエルコンドルパサーの系譜で、ダンジグ内包とパワーやタフさに振れた種牡馬で、母父サクラプレジデントへ札幌記念や中山記念を制した馬。父系が強くて、時計の掛かる北海道の芝で良績が集まります。今年の函館SSで4着まで来れているように馬自体は年齢を感じさせませんし、今は後方待機策が合っているように感じます。展開次第になりますが極度の上がり勝負にならない限りはそこそこの着順になってもいい存在だと思います。

血統：B 距離：A コース：A ローテ：C

キミワクイーン

　父：ロードカナロア
　母：チェリーペトルズ
母父：ダイワメジャー

母のチェリーペトルズはJRA2勝。ショウナンタイガの姪で、母系はダイワメジャーとサクラバクシンオーでスピード色が強い血統に、父がロードカナロアだから短距離血統。ストームキャットのクロスを持っていて持続力が高い中、前走の函館SSは外枠から無理をせず控えての一気の末脚で重賞制覇。流れもあったと思いますが、この競馬が再現できるなら洋芝も道悪もこなせるので札幌に変わる今回も勝ち負けになれるのかなと思います。

血統：B 距離：A コース：A ローテ：A

サトノアイ

　父：ハーツクライ
　母：キャッチザカクテル
母父：Catcher In The Rye

母のキャッチザカクテルは亜GIラプラタオークス勝ち馬で、サトノレギオンの全兄。父ハーツクライは中長距離志向の強いサンデー系で持続力に富む血統。母父のキャッチャーインザライは仏2000ギニー2着でデインヒル経由のダンジグ系。母系のスプリント色が遺伝しマイル寄りの適性に。前走のUHB賞はスローの前残り決着で3着。ただ、具合は良さそうだったので今回も状態を維持出来ていて、展開に恵まれることがあるのならある程度の着順が取れてもいいのかなと思います。道悪はこなすので雨が降ってくれたら面白いかもしれません。

血統：B 距離：B コース：B ローテ：C

シナモンスティック

　父：ジョーカプチーノ
　母：マイネデセール
母父：マイネルラヴ

函館2歳Sを制したリンゴアメの半妹で、イトコにジャンプGI勝ち馬のキングジョイがいる血統。父のジョーカプチーノはNHKマイルCや、その他スプリント重賞を2勝した快速馬。母父マイネルラヴもスプリンターズSを制した名馬で、牝系もスプリンターですから1200mは良いと思います。近走力を付けて来た印象で、条件戦からOPに昇級しても安定した戦績。洋芝は合いますし、どんな流れでも対応出来る下地はあると思いますが、欲を言うとスローで時計が掛かった方が勝算はありそう。相手強化も侮れないところはあります。

血統：B 距離：B コース：B ローテ：C

シュバルツカイザー

　父：Dark Angel
　母：Fashionable
母父：Nashwan

近親にメイトリアークS(米GI･芝10F)など米国芝GIで3勝を挙げたワンデスタ。そこからドライヴンスノーが出るので日本の活躍馬だとルージュスティリアが同牝系になります。父のダークエンジェルは欧州スプリンター。母父ナシュワンは英国クラシック2冠馬で、バゴやスウェインなどの父。さらに母系がシャーリーハイツやニジンスキーと欧州の名血ラインが入るので洋芝は当然合う構成でしょう。北海道での相性の良さは戦績を見れば一目瞭然で、この夏も3勝クラス、OP特別と連勝してこの舞台へ。時計もそれなりに対応出来るのは魅力ですし、結果が出なかった頃に比べると重っ苦しさが無くなった印象。充実している今なら重賞でも好走出来ても驚かない1頭です。

血統：A 距離：B コース：A ローテ：B

ジュビリーヘッド

　父：ロードカナロア
　母：ローズノーブル
母父：ディープインパクト

母のローズノーブルはJRA4勝。祖母のヴィアンローズは仏10Fノネット賞GIII勝ち馬。ロードカナロア×ディープインパクトはレッドモンレーヴ、ファンタジスト、ボンボヤージ、スピードオブライトなど短距離志向が強い配合。北海道は戦績からも相性はよいですが、道悪はあまり良くないと思います。先行出来ればかなり渋とく伸びますから、今回も前目に付けれるかがポイントに。重賞だとワンパンチ足りなく、目標にされやすいタイプであるのも事実でそこをどう克服するかでしょう。

血統：B 距離：A コース：B ローテ：C

ゾンニッヒ

　父：ラブリーデイ
　母：エンドレスノット
母父：ディープインパクト

母はダービー馬マカヒキの全姉なのでウリウリの甥でもあり、ジャカランダレーンやトゥーテイルズのイトコ。父ラブリーデイは宝塚記念や天皇賞・秋を制したキングマンボ系中距離馬。血統的にはマイル向きですが、2走前の京王杯SCの競馬を見てからの前走青函Sの勝ちっぷりを見る限りは1200mで詰めの甘さを克服した印象。ただ、スプリンターという感じではないのは事実あるので、時計が速くなり過ぎるのは良くないかも。その点で洋芝はいいのかもしれません。中団追走から団子の形になるのであれば纏めて差し切れるポテンシャルは秘めていると思います。

血統：C 距離：B コース：B ローテ：B

タイセイアベニール

　父：ベーカバド
　母：ハロードリーム
母父：ブライアンズタイム

サンライズモールの甥で、曾祖母スカーレットローズからはスカーレットレディが出るので、ヴァーミリアンやサカラートなどもこの牝系にあたります。父のベーカバドはパリ大賞典勝ち馬のダンジグ系種牡馬で、ダブルシャープの父。母系がブライアンズタイムにダンスインザダーク、ノーザンテーストのパワーに寄った配合だから時計が掛かる洋芝はこなせると思います。上がり勝負だと分が悪いのである程度流れてくれた方が雪崩込めるのかなと思います。昨年の函館SS3着の時のようなロスのない立ち回りが出来ればといったところでしょう。

血統：B 距離：A コース：B ローテ：C

トウシンマカオ

　父：ビッグアーサー
　母：ユキノマーメイド
母父：スペシャルウィーク

母のユキノマーメイドはJRAで4勝。ベステンダンクやサンキューの半弟にあたる血統で、父のビッグアーサーはサクラバクシンオーの後継で、この高松宮記念の舞台を制したスプリンター。母父スペシャルウィークで母系はニジンスキーのクロスを持ち、差し込んでくる切れ味は鋭く今なら1200mがベストの印象。前走の函館SSは最内枠で出しに行った分弾けなかったのかもしれません。立ち回りやすさは外枠の方があると思うので上手く外に出せるかが課題でしょう。乾いた馬場の方が性格的に合うのかなと思います。

血統：B 距離：A コース：C ローテ：C

ナムラクレア

　父：ミッキーアイル
　母：サンクイーンⅡ
母父：Storm Cat

母のサンクイーンⅡはストームキャットの肌。ナムラムツゴローの半妹にあたる血統。曾祖母からはバゴやデネボラ、4代目まで遡るとマキャベリアンが出るファミリーで、父ミッキーアイルはディープ産駒のダンジグ内包種牡馬。母系がロベルトを持ちパワー型の印象で、ヘイローのクロスも入り前向きさが強化されたスプリンターに。1200mならこの路線でトップクラスだし、時計の掛かる馬場も苦にはしません。競馬自体も柔軟性がありますからどういう流れでも対応は出来ると思います。ここでも勝ち負けになれる存在でしょう。

血統：B 距離：A コース：B ローテ：B

ナランフレグ

　父：ゴールドアリュール
　母：ケリーズビューティ
母父：ブライアンズタイム

インプレスウィナーの半弟で、祖母のビューティークロスはJRA4勝のスプリンター。父ゴールドアリュールはダービー5着の実績も持つダート馬で、母系のブライアンズタイム、ノーザンテーストとパワーやタフさ武器。道悪や時計の掛かる洋芝はこなせると思いますし、差しが届きやすい馬場なら末脚が炸裂しても驚きません。条件は合うと思いますが、展開にかなり左右はされる1頭です。

血統：B 距離：A コース：B ローテ：B

レイハリア

　父：ロードカナロア
　母：ライトリーチューン
母父：マンハッタンカフェ

カネトシツヨシオーやバウンシーチューンの姪で、母系はスピードよりも中長距離向きの血が多く、父がロードカナロアなので血統的にはマイルくらいが合いそう。洋芝は合い、一昨年のキーンランドC勝ち馬です。近走は成績不振ですが、条件はいいので、あとは精神的な面でどこまでやれるかが決まりそうです。

血統：C 距離：B コース：A ローテ：C

レッドベルオーブ

　父：ディープインパクト
　母：レッドファンタジア
母父：Unbridled’s Song

レッドベルローズ、レッドベルジュールの全弟で、米AW9FGIのスピンスターS勝ち馬のインランジェリーの甥にあたる血統。ディープインパクト×アンブライドルドソングは3冠馬コントレイルと同じで母系の奥にストームキャットを持つのも似ています。気性の難しさから短距離路線へ。純粋なスプリンターという感じでは無いので時計的にも性格的にも道悪の方が頑張れるような感じはします。ポテンシャル自体は秘めていますからハマれば上位に食い込めても驚かない1頭です。

血統：C 距離：B コース：B ローテ：C