2023年1月22日　AJCC 出走馬適性チェック✔︎

2023年1月22日（日）　中山競馬場　アメリカジョッキークラブカップ（AJCC）　の出走馬全頭の適性診断の記事になります。

この記事はAJCCへの出走予定馬の適性を血統・距離・コース・ローテを細かく分析し、5段階（A・B・C・D・E）で評価。最後に厳選上位馬を挙げたいと思います。

適性チェックは能力や調子、調教、枠順、馬場、天気などのファクターは完全に度外視した競走馬の個性を取り上げるものとなりますので参考にする程度で見てもらえたら幸いです。

血統の適性については下の血統適性評価基準をご覧下さい。

アメリカジョッキークラブカップ2023 血統適性評価基準
アメリカジョッキークラブカップ2023 出走馬適性チェック✔︎
アメリカジョッキークラブカップ2023 適性チェック✔︎上位馬4頭
今週末の重賞適性チェック✔︎

アメリカジョッキークラブカップ2023 血統適性評価基準

中山外芝2200mというタフなコース設計で行われる伝統の重賞。

この時期らしくロベルト持ちが好走傾向にあって、ステイゴールドの血も走る舞台です。欧州色の強いパワーやタフさ、外回りコース独特の持続力を見極めて評価していきたいと思います。

アメリカジョッキークラブカップ2023 出走馬適性チェック✔︎

アリストテレス

　父：エピファネイア
　母：ブルーダイアモンド
母父：ディープインパクト

祖母のグレースアドマイヤはJRAで5勝。リンカーンやヴィクトリーの甥で、エスポワール、アドミラブルがイトコにあたる血統。更に近親にアンライバルドやボーンキングなどの中山巧者が出るファミリーで、自身も2年前のこのレースの覇者。以降勝ち星に恵まれませんが、血統的にもロベルト系の父エピファネイアということと、サドラーの4×4とタフなコース形態の方が合う印象。前走有馬記念ではブリンカー着用の影響かもしれませんが、少し掛かった分距離短縮は歓迎だと思います。

血統：A 距離：B コース：A ローテ：B

エヒト

　父：ルーラーシップ
　母：ヒーラ
母父：ディープインパクト

母のヒーラはJRAで3勝。インナーアリュールやニューフロンティアの甥。ルーラーシップ×ディープインパクトはキセキやアンティシペイト、ドルチェモアなど活躍馬が多い配合。瞬発力勝負には分が悪く、大箱には向かない変わりに、コーナーから野太い走りをするのが特徴で、昨年の七夕賞は圧巻の競馬でした。母系の奥にサドラーを持ち、父系にトニービンを持つのでタフな持続力勝負に強いですからある程度流れる展開になれば好走できる上手だと思います。外枠から流れに乗せるのが理想でしょう。

血統：B 距離：C コース：B ローテ：C

エピファニー

　父：エピファネイア
　母：ルールブリタニア
母父：ディープインパクト

母はオークス、秋華賞を勝ったミッキークイーンと同血で、エピファネイア×ディープインパクトは上のアリストテレスやオーソクレースと同じ配合でステイヤー向きの血統構成。目下4連勝中で勢いのある1頭ですが、折り合い面的にも距離延長は課題になると思います。中山外コースでペースが緩んだ時にどうなるか気になりますが、ポテンシャルは高く将来的にも楽しみな存在です。タイプ的には大箱向きでしょう。

血統：B 距離：D コース：C ローテ：C

オウケンムーン

　父：オウケンブルースリ
　母：ムーンフェイズ
母父：エリシオ

母のムーンフェイズはJRA3勝。トキオエクセレントやタガノマイバッハの甥。父のオウケンブルースリはジャングルポケット産駒で、菊花賞勝ち馬。母父がエリシオで重厚感がありますが、母系のストームバードの影響もあって3歳時に共同通信杯(18年)勝ちがあります。昨年の中山金杯以来のレースになりますから、まずは無事にといったところでしょう。距離はもう少し短いところの方が結果が出ているので多少気になります。時計が掛かってくれれば。

血統：C 距離：C コース：D ローテ：E

ガイアフォース

　父：キタサンブラック
　母：ナターレ
母父：クロフネ

母のナターレは地方で9勝。祖母のロージーチャームはJRA1勝馬。父のキタサンブラックは中長距離GIを7勝した名馬で、イクイノックスやラヴェル、ソールオリエンスの父。母父がクロフネにテーストのクロスも持つので前で押し切る競馬が合うタイプ。このコースのセントライト記念で後の菊花賞馬のアスクビクターモアに勝利。前走の菊花賞は内枠で自分の競馬が出来なかった事を考えれば外枠で自分で動いていける2走前の競馬が理想でしょう。本質的にはもう少し短いところの方が合うのかなと思いますがポテンシャルの高さでカバー出来ると思います。

血統：C 距離：B コース：B ローテ：A

シャムロックヒル

　父：キズナ
　母：ララア
母父：Tapit

母のララアは北米2歳GIウィナーで、サラスや、セラピアの半妹にあたる血統。父のキズナはダービーを制した馬で、母父がタピットなので米国色の強い血統。持続力を活かした逃げ馬というイメージで、何がなんでも行きたいというタイプ。距離は少し長いのと、トラックバイアスの助けは必要だと思います。中山の急坂も鬼門に。

血統：D 距離：E コース：E ローテ：D

スタッドリー

　父：ハービンジャー
　母：ウインフロレゾン
母父：フジキセキ

母、祖母共にJRA2勝。シャトーブランシュの甥で、イトコにイクイノックスやヴァイスメテオールがいる血統。父がハービンジャーで母父フジキセキなので中山のイメージに合います。トニービンも母系に持ちますから中山の外回りは歓迎。阪神内や中京で結果を出しているように上がりの掛かる競馬が向くタイプだと思うので、あまりスローになりすぎない方が良さが出るタイプだと思います。後は相手関係だけでしょう。

血統：B 距離：A コース：A ローテ：B

ノースブリッジ

　父：モーリス
　母：アメージングムーン
母父：アドマイヤムーン

母はファンタジーS3着で、ローレルゲレイロの甥にあたる血統。父モーリスはマイルから中距離で活躍した歴史的名馬で、ロベルト系。母父アドマイヤムーン自身はジャパンCや、宝塚記念を制した中距離馬ですが、フォーティナイナーの影響もあり血を引く馬達は短距離に適性が向きます。血統全体的にも2200mの距離は不安ですし、折り合いの面でも2000mでもムキになるので距離延長が課題でしょう。タフで時計が掛かる馬場自体は歓迎だと思います。

血統：C 距離：D コース：C ローテ：D

バビット

　父：ナカヤマフェスタ
　母：アートリョウコ
母父：タイキシャトル

ダンツホウテイの甥にあたる血統で、父のナカヤマフェスタは宝塚記念勝ち馬で凱旋門賞でもワークフォースに迫った2着。ステイゴールド産駒らしくタフな馬場に向く血統。母父タイキシャトルは言わずと知れた名マイラー。ヘイローの前向きな気性と母系にミルリーフを持ち粘り強い走りをするタイプで、3年前のセントライト記念の勝ち馬であるようにコース適性は高いです。前走は苦手とする東京で度外視。復帰後3戦目で本来の走りが戻ってきてればマイペースで運んで渋とく粘れるか注目。

血統：A 距離：A コース：A ローテ：C

ブラックマジック

　父：ディープインパクト
　母：ナイトマジック
母父：Sholokhov

グレートマジシャンの全兄で、母のナイトマジックは独オークスやバーデン大賞勝ち馬。父ディープインパクトにサドラーズウェルズの系譜のショロコフに母母父がモンズンと重たくサトノダイヤモンドの様に中長距離向き。時期的にも冬場の方が走るのと、2年前の迎春Sを制しているようにコース適性は問題ないと思います。復帰3戦目で状態が上がって来ていればという感じかなと思います。先行して上がりが掛かる競馬になれば面白いのかなと思います。

血統：B 距離：B コース：B ローテ：B

ユーバーレーベン

　父：ゴールドシップ
　母：マイネテレジア
母父：ロージズインメイ

マイネルファンロンの半妹で、マイネルクラースらの姪にあたる血統。祖母はフラワーC勝ち馬。父のゴールドシップはステイゴールド産駒でスタミナ豊かな血統。このレース2着の兄よりもスタミナ型で2000mだと忙しく、大箱向きではないので、中山2200mの舞台は歓迎でしょう。馬自体の集中力の問題もあるのかなという感じですからそこのところをどのようにコントロールするかが鍵かなと思います。持続力勝負で前が止まってくれればいいのと、馬体ももう一絞りできてもいいのかなと思います。

血統：A 距離：B コース：A ローテ：A

ラーゴム

　父：オルフェーヴル
　母：シュガーショック
母父：Candy Ride

アドマイヤメティスの半弟で、母のシュガーショックは米ダ8.5FGIIIのファンタジーS勝ち馬。父オルフェーヴルはステイゴールド産駒の3冠馬。母父のキャンディライドはアルゼンチンと米国で走り、芝でもダートでも短めのところを中心に活躍。父系のスタミナと母系のスピードとバランスが良く、昨年はダートに変わって交流重賞で好走を続けました。前走の中山金杯で芝に戻り、外を回って0.3秒差の9着なら上出来でしょう。この2ヶ月で4戦目とローテーションこそ心配ですが、芝でも十分勝負になっていい1頭だと思います。

血統：B 距離：B コース：B ローテ：D

レインカルナティオ

　父：ルーラーシップ
　母：リビングプルーフ
母父：ファルブラヴ

クイーンC勝ちのテトラドラクマの全弟で、母はJRA3勝。父のルーラーシップはトニービン内包種牡馬で、母父のファルブラヴはこのコースで開催されたジャパンCを制した馬。血統構成的にはこのコースに向くと思います。前走の中山金杯は直線で挟まる不利もあり12着。距離的にもう少し詰めた方がいい脚を使えるのかなという印象も。トップスピードに乗るまでは時間が掛かると思うので外回りなのはプラスになるのかなと思います。

血統：A 距離：C コース：B ローテ：C

レッドガラン

　父：ロードカナロア
　母：ダンスオンザルーフ
母父：シンボリクリスエス

ポルカマズルカの甥にあたる血統。祖母のダンシングダンサーはダンスインザダークと同血。父ロードカナロアはスプリントとマイルのGIを制した馬。母父シンボリクリスエスはロベルト系でパワー型。昨年の中山金杯と新潟大賞典を制しましたが、そのレース以降は行き脚が付かずに後方からの競馬。ダートに変えたり工夫はしていますがイマイチな状況が続きます。精神的な問題もあるのかなと思いますからキッカケが欲しいところでしょう。

血統：B 距離：D コース：B ローテ：C